Indie label of market

ペンギンマーケット

肉体より、精神的衰えのほうが怖い【3】

music03

―――インディーズからメジャーへ、メジャーからインディーズへ―――

一般的に私もそうだが、インディーズからメジャーへ行きメジャーからデビューするのが正攻法のように認識されているが、現在はそうでもないようだ。あえてインディーズで活動するアーティストや、あえてメジャーからインディーズへ移籍するアーティストも多い。

インディーズからメジャーデビューするには、まず、インディーズ界である程度活躍し話題になることである。そして話題になってくると、メジャーレーベルからデビューしませんかとスカウトがある。大手からすれば、ある程度実績があるアーティストの方が諸々とリスクが少ないからだ。アーティストは、今よりもっと良い環境が約束され、活躍の場も広げられるメジャーに成功を夢見て移籍するようだ。売れなければ安定せず、先が見えているインディーズ活動。メジャーに夢を見るのも頷ける。

そしてインディーズでの活躍を知らない大衆は、メジャーの大々的プロモーションにより知ることとなり、メジャーからデビュー=プロと思ってしまう。

なるほど、勘違いはここから始まるのか。まんまとメジャーの宣伝力に踊らされていたわけだ。

しかし、せっかくその活躍が認められメジャーからデビューしても、またインディーズに戻ってしまうアーティストが多いのも事実。それはなぜか?

先に書いたメリット・デメリットにもあるが「自由を奪われる」が理由にあげられる。いくらインディーズで活躍したからと言っても、デビューの時に大々的にプロモーションをしたからと言っても「売れないと稼いでくれないと意味がない」

いつしか売れる曲を作ることが目的となり、本来やりたかったことができなくなるのだ。商業主義に嫌気がさし、あえてインディーズに戻っていく。売れなかったからインディーズに落ちたということではないのだ。自由な表現を求めて、自らの意思で、インディーズの世界にいるのだ。

それとこれも先ほど書いたが「収入」も関係しているらしい。先のメリット・デメリットで「給料制だから、大ヒット・ハズレに関わらず、収入に大きな影響ない」と書いたが、CDの売上不信に歯止めが効かない今の状況では、元々も給料が少なすぎてメジャーに所属しているからと言って生活できるわけではないようだ。バイトをしている新人も多いとのことである。

ヒット・ハズレ以前の問題だ。

その背景にはCD売上不信に大手レコード会社の搾取がプラスされている。契約によっては、売上の10%、例えば5000万売り上げがあったとしたらその10%、500万がアーティストに入ってくる。これがインディーズの場合、インディーズCD専門の販売会社に30%支払ったとしても残り7割、3500万がアーティストに入る計算だ。給料が高くない限り、収入面でもインディーズの方がましなのかもしれない。メジャーのメリットが1つ消えてしまった。自由な表現の場とお金の両立が叶うなら、インディーズ界はまさにアーティストの桃源郷だろう。

最近では、メジャーデビューなんてワンクッション置かずに最初からインディーズで現在活躍している新しいタイプのアーティストも出てきている。

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